AIMYON 5th Album
猫にジェラシー
Jealous of Cats
2024.09.11 WED RELEASE
AIMYON 5th Album
Jealous of Cats
2024.09.11 WED RELEASE
[通常盤 (CD)] 3,300円(税込)
[Disc 1]
[Disc 2]
Purchase Benefits
『AIMYON TOUR 2024-25
“ドルフィン・アパート"』
シリアルナンバー入り
チケット応募抽選券
前半公演 9/11(水)12:00~9/17(火)23:59
後半公演 9/11(水)12:00~9/24(火)23:59
※詳細は商品に封入されている
チラシをご覧ください。
6月19日(水)12:00~7月21日(日)23:59
(※店舗は営業終了まで)
上記期間内に、アルバム「猫にジェラシー」をご予約いただきました方に「猫にジェラシー オリジナルブロックメモ」をプレゼントいたします!
CD「猫にジェラシー」&
ライブフォトブック
「交わるバスルーム」付セット
AIM会員限定特典:オリジナルミニ手鏡
CD「猫にジェラシー」&
オリジナルTシャツ
(SIZE:M/L)付セット
さらにオリジナル配送ボックスでお届け!
※イメージはこちらをクリック!
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オリジナルTシャツ
(SIZE:M/L)付セット
アクリルキーホルダー
※楽天ブックス限定盤も対象
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オリジナル・トートバック
A4サイズクリアファイル
A4サイズクリアファイル
A4サイズクリアファイル
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※7月4日までにご予約いただきました方へはダブル・期間限定予約特典に加えて、上記の店舗別特典がつきますので、ぜひお早めにご予約ください。
※一部のCDショップ(およびネットショッピングサイト)では特典プレゼントを実施していない場合もございます。
※特典は数に限りがございますので、予めご了承ください。
※特典に関するお問い合わせは、直接、各CDショップ(およびネットショッピングサイト)にてご確認ください。
あいみょん – 「猫にジェラシー」
【Live】
あいみょん – AIMYON TOUR 2023
マジカル・バスルーム
IN TOKYO GARDEN THEATER
【5thAL「猫にジェラシー」
初回限定盤 Live BD&DVD】
あいみょん – 「ざらめ」
【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
あいみょん – 「ラッキーカラー」
【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
あいみょん – 「猫にジェラシー」
【very short teaser】
2年ぶりの5thアルバム
『猫にジェラシー』が完成
「これからも世の中の動きには
左右されずに、
自分の曲を作り続けたい」
6月から7月にかけて5年ぶりとなる対バンツアー「AIMYON vs TOUR 2024 “ラブ・コール2”」を開催したあいみょん。HY、大塚 愛、ドミコ、yonige、森山直太朗、秋山璃月、レキシ、sumika、スピッツを迎え、全国4ヶ所8公演で大きな愛を交換し合うとともに、この5年でライブアーティストとしてたくましく成長した姿を見せた。
あいみょん:世の中的にもいろんなことがあって、意図せず5年経っちゃった感じなんですけど、自分も年齢を重ねて、あの頃よりもう少しドシっとして、しっかりホストとしてみなさんを迎えられた気がします。もともと人見知りをするタイプではないですけど、今回はより一層みなさんとの距離が近くなれたんじゃないかなと思いますね。5年前は対バン相手の人に自分のライブを見てほしいとはあんまり思わなかったけど、今回は私のライブを見てほしいなと思ってました。今のバンドメンバーとももう長く一緒に演奏してきて、セットリストをギリギリで変えたりとか、臨機応変にいろんなことができるようになったりもして、それを対バン相手にも見てほしいと思えたんです。
全公演で特別な瞬間が幾度となく訪れたが、その中でもスピッツとの共演を果たしたツアーファイナルは忘れられない。以前からリスペクトを公言し、草野マサムネとの対談や「ロックロックこんにちは!」への出演などで親交を深めてきた憧れのバンドとの対バンが遂に実現。しかも、サプライズでスピッツが“君はロックを聴かない”をカバーし、あいみょんが“魔法の言葉”をカバーするという、メモリアルな1日となった。
あいみょん:“君はロックを聴かない”のカバーはマジでびっくりしました。今回yonigeしかりsumikaしかり、サプライズで私の曲をカバーしてくれたので、「もしかしたら」って、正直期待はしちゃうじゃないですか?でもセットリストでもリハーサルでも徹底して隠されてたから、「流石に今日はないか」と思ってたんですよ。で、本番は私袖で見ていて、そのときは普通にファンとしてライブを楽しんでたから、最初“君はロックを聴かない”のドラムのフィルが入ったときに、普通にスピッツの曲かと思って(笑)。「次の曲始まった……あれ?」みたいな感じで、ちょっとリアクションが遅れたぐらい、ほんまにカバーしてくれるなんて全く思いもしなかったんです。
これまでいろんな活動をしてきて、甲子園球場でのライブだったり、「ようやく報われたな」と思う瞬間がいくつかありましたけど、「いろいろ悩んだのも、今日のためだったのかもしれない」と思えるような瞬間がまた一つ増えました。アーティストをやってると、よく「あのときの自分に教えてあげたい」みたいなことを言うじゃないですか?まさにあれ。教えたところで、「またまた。そんなことあり得ない」って、当時の自分は言うと思うんですけど、音楽の世界には夢があることを改めて実感しました。
あいみょんはかねてより“君はロックを聴かない”について、「この曲ができて、シンガーソングライターとしてやっていけると思った」と語っているが、それと同時にこの曲ができた背景として、「スピッツの“醒めない”を聴いたことが大きい」とも語っている。そして、“君はロックを聴かない”は実際にあいみょんの代表曲の一つとなり、特にライブでの合唱が定番となったわけだが、コロナ禍で声が出せなくなった時期においては、マイナスの意味でもある種の象徴になってしまった。しかし、そんな季節を経て、今またこの曲をみんなで合唱できるようになり、スピッツがこの曲をカバーしたというのは、“君はロックを聴かない”をめぐる物語が遂に完結を迎えたような印象を受ける。
あいみょん:ほんまに完結しましたね。“醒めない”がなければ“君はロックを聴かない”は生まれなかったし、私マジでスピッツがおらへん人生が考えられない、それくらいでかい存在やなと思います。もちろん対バンが決まったときからめっちゃ嬉しかったですし、実際に会場に入ると楽屋が隣なので、本番前もずっとドキドキしてて、マジで楽屋から出られなかったです(笑)。ああいう偉大な憧れの先輩がいることで、私ももっと頑張りたいと思いますし、それこそ“醒めない”の歌詞になるんですよね。この気持ちがまだまだ醒めない。私の場合は特に、憧れてきたアーティストさんたちがいて、その人たちの音楽が血となり肉となることで、自分がアーティストとしてやっていけてると思っていて、おこがましいですけど、今回秋山璃月くんに対してはそういう気持ちもあったんです。私もこれまでいろんな先輩たちにステージに立たせてもらったので、それを私もやってあげたい。それで璃月くんを呼んだっていうのもありました。
昂る気持ちが醒めないそのままに、2年ぶりとなる通算5作目のフルアルバム『猫にジェラシー』が完成。連続テレビ小説『らんまん』主題歌“愛の花”、映画『窓ぎわのトットちゃん』主題歌“あのね”、ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』主題歌“会いに行くのに”などを含む全13曲は、かつての日常を取り戻したこの2年間の充実した活動の記録となっている。そして、本作は来年の3月6日に30歳の誕生日を迎えるあいみょんにとって、20代最後のアルバムでもある。
あいみょん:年齢のことは全く意識してなかったです。最近取材でそれを言われるようになって、「確かに」みたいな感じなんですけど、20代のうちにアルバムを5枚、シングルも16枚残せたのは、よくやったなと思いますね。他の人のペースのことはわからないですけど、私は純粋に自分の作品が増えていくのが嬉しいタイプで、携帯に自分の今まで作った曲をメモしてますし、自分のディスコグラフィーが増えていくのがすごく嬉しい。年表で歴史をたどるよりも、ジャケットを見た方が自分の歴史がわかりやすいと思ってるので、シングルやアルバムをいい頻度で出せるのはほんまにありがたいなと思いますね。「20代のうちにこれをやりたい」とかもあったとは思うんですけど、むしろ20代のうちにやれるとは思ってなかったことばかりというか、想像すらしてなかったことができたから、これ以上多くを求めたら、バチが当たるんじゃないかぐらいの気持ちです(笑)。次のツアーのファイナルが2月で、その1ヶ月後に30歳になるので、20代最後のステージを降りたときに何かを思ったりするのか、それも楽しみではありますね。
アルバムのリリースに先駆けて、「カルピス」の新テーマソングとなっている“ラッキーカラー”を先行配信。ミツメの川辺素がアルバム曲では初めてアレンジを手掛け、アートワークでお馴染みのとんだ林蘭による「猫」をモチーフとしたMVも話題を呼んだ。
あいみょん:曲に関しては「青空」というイメージをいただいてたんですけど、“空の青さを知る人よ”とか 、私歌詞に「青」を使いがちで、今回は“愛の花”で「空」も歌ってるから、そこまで意識はしないようにして。結局「空」は入ってるんですけど、「青」に関しては、「青色=ラッキーカラー」に言い換えて書いた感じです。
素くんと一緒にやるときはいつもはじめましてのメンバーを集めてくれるので、新鮮にレコーディングができて楽しいですね(DYGLの下中洋介と加地洋太朗、BROTHER SUN SISTER MOONの岡田優佑が参加)。他の曲に比べると平均年齢も一気に下がるし、アレンジもちょっとインディっぽいというか、その意味でも新鮮な感じがしました。素くんとカップリング以外の曲をやるのは初めてで、CM曲になることも含めて喜んでくれたし、曲もすごく褒めてくれたので、嬉しかったですね。
7月29日にはドラマ『降り積もれ孤独な死よ』の主題歌“ざらめ”も先行配信。Bialystocksのボーカルとしても活躍する映像作家の甫木元空が監督を務め、あいみょんが5人の自分を演じたMVも印象的なこの曲について、あいみょんは「私なりの寄り添い方で、最後には希望が少しでもともればと思ってます」とコメント。〈この胸に刺さった 無名の刃を抜く術は何処〉〈どんな角度で狙ってくるのか 予測できない〉という歌詞からは、現代のSNSを取り巻く状況が浮かび上がる。
あいみょん:先に原作の漫画を読ませてもらったんですけど、過去にも現在にもいろんな闇やコンプレックスを抱えてる主人公なので、その主人公と私にちょっとでも重なる部分があればいいなと思って、今の自分のことを書きました。ドラマに寄り添いたい気持ちももちろんあるし、ドラマと今の私の気持ちがリンクすればいいなと思って書いたんですけど、基本的にはほぼ自分のことです。
この活動もまもなく10年を迎える中で、切っても切れなかったものがSNSで、私は決して嫌いじゃないんです。すごく便利ですし、自分の音楽を広める意味でも最強だとは思ってるんですけど、一歩使い方を間違ったら全てが終わるぐらいのことにもなるし、全てを受け止めていたら自分の身がもたない。だからSNSとの距離感は年々考えるようにはなっていて、やっぱり見れば見るほど落ち込みますし、彼氏の携帯を見るのと同じで、何もいいことないじゃないですか(笑)。歌詞はそれをそのまま書いてる感じで、〈無名の刃〉は顔も名前も知らない匿名の人たちが好き勝手言ってることを刃物に言い変えていて、しかも名刀じゃないからこそ、切れ味が悪いからこそ、傷がえぐられる切られ方をする。どうせなら「よ!うまいね!」みたいなディスられ方の方がいいけど、えぐみのある、錆びた刀で切られるような言葉を書かれるじゃないですか。そういう無名の刃たちが刺さり続けている人がいて、自分もそれを感じるときが少なからずあるんですよね。
X、YouTube、Instagram、TikTokの総フォロワー数が600万人を超えるあいみょんは、インターネット/SNS時代を代表するアイコンの一人である。しかし、その知名度や存在感がゆえに現在では「あいみょんの○○って歌詞好き」がネットミームにもなっていて、そんな状況とどのように向き合っていくのかは考えざるを得ない。
あいみょん:最初は全然笑えてたんですけど、それがだんだん広まるにつれ、人を傷つける言葉だったり、信じられないぐらい汚い言葉を載せられるようになって。もちろんパッと見て私の曲じゃないのはほとんどの人がわかると思うんですけど、「これが広まるのはどうなの?」って普通に思ったし、私は自分の歌詞をすごく大事にしてるのに、もしかしたらある一定数の人に「ほんまにあいみょんこういうこと歌ってんのかな」と思われるかもしれないと思うと、それはやっぱり笑えない。あれいまだにずっとあって、最近またイライラしてつぶやいちゃったりしたんですけど、今はファンクラブ内でSNSを作ってもらったので、そっちで毎日信じられないぐらい投稿してます(笑)。
“ざらめ”の歌詞はほんまそのままで、なんで自分がやっとたどり着けた居場所やのに、我慢しなきゃいけないことが増えたりとか、ほんまのことを言うことで自分が悪になっちゃうのかが不思議っていう。それは仕方ないとどこかで割り切ってる部分もあるけど、そういうことを感じることが増えたなって。この曲は歌詞と曲からできたので、タイトルがなかなか思いつかなかったんですけど、たまたま読んでた本に「粗目雪」っていう漢字が書いてあったんです。粗目は砂糖のイメージが強いかもしれないですけど、私はヒリヒリするイメージが勝ったんですよね。粗さ、ジャリジャリする感じ。その感覚だけでこのタイトルにしました。傷ついたこととか、つらいなと思うこととかって、やっぱりなかなか溶けないと思うんです。〈いつか溶けるだろうか〉って言ってるけど、多分溶けない。一度味わった経験は残り続けるけど、残り続けたままどう生きていくのか、だと思います。
アルバムで初お披露目となる楽曲では、あいみょんらしい筆致で男女の関係性を描く“炎曜日”(「かようび」と読む)、“偽物”、“朝が嫌い”が中盤に並ぶ。ロックな曲調に乗せて、自分のもとを去った相手に〈忘れないからな?〉とすごむ“炎曜日”、一夜を共に過ごしてしまった相手と自分に対して〈別の誰かだと思うの〉と後悔を滲ませる“偽物”はストーリーテリングがユニークで、朝にだけ家に帰ってくる相手のことを描いた“朝は嫌い”も同様だが、この曲には特別な背景があるという。
あいみょん:“炎曜日”とか“偽物”みたいな、男女の人に言えないような関係だったりは多分一生書き続けるし、「面白い話として聞いてよ」ぐらいの気持ち。ノンフィクションとフィクションを混ぜ込みながら作ってるので、共感されなくてもいいし、こういう曲は単純に作ってて楽しいですね。ただ“朝が嫌い”に関してはちょっと話が違って、以前ある知り合いとプライベートで会ってお話したときに、不眠症を患っていたという話を聞いて。朝に行動する生活に憧れてたけど、どうしても眠るのが朝になってしまうから、不眠症のときは朝が嫌いやったそうなんです。でも息子が生まれてから必然的に朝の生活になって、それで朝が好きになったっていう話を聞いて、「朝が嫌い」というワードがずっと残っていて、それで作りました。もちろん、その言葉だけを使って、新しい話を作ってるんですけど、でも当時のその知り合いと一緒で、この曲の主人公も朝に希望を持ちたくて、それで最後に(もっと素敵な そんな朝になれ〉って歌ってるんです。
個人的には「これがリード曲」と思うぐらい気に入ってて、(アレンジャーの)鈴木正人さんは私がラブコールしました。YUKIさんの『パレードが続くなら』に“私の瞳は黒い色”っていう曲があって、私その曲がすごく好きで。たまたまバンドメンバーのイブイブ(伊吹文裕)が叩いてもいたんですけど、ディレクターさんに「YUKIさんのこの曲めっちゃ良かったです」って言ったら、「アレンジ、鈴木正人さんじゃん」ってなって、長い知り合いだったらしく、「頼んでみる?」って。“朝が嫌い”はどうしても鈴木さんにお願いしたくて、すごくいいアレンジになったので、またご一緒したいですね。
“炎曜日”、“偽物”、“朝が嫌い”は2020年や2021年に書いた曲だそうだが、今回の収録曲の中でとりわけ昔に書かれた曲が“駅前喫茶ポプラ”。もともと2016年に書かれたというこの曲は、喫茶店を舞台にした男女のやりとりが可愛らしく、過去には“ふたりの世界”なども手掛けているSundayカミデによるアレンジも手伝って、初期からのファンにはたまらない仕上がりとなっている。
あいみょん:この曲はアレンジがちょっと難航して、「一緒にスタジオ入りましょう」ってなって、ドラムの小宮山純平さんとSundayさんと私で一緒に演奏しながら作ったんです。Sundayさんのコーラスは、レコーディングのときに私が歌ってくれって言いました。男女の二声が好きで、前は「皐月」で素くんにやってもらったんですけど、これめっちゃ昔の曲やし、もっと遊んでもいいかもなっていうのもあって、管楽器も私がリクエストしたんです。レコーディング中に私がギターで弾いてみたフレーズがピアノで入ってたりもして、学生バンドっぽい作り方ができたなって。喫茶店のモチーフは甲子園にあるヘンゼルカフェっていう、私がよく名前を出してるお店があって、内装がほぼオードリー・ヘップバーンなので、そこがイメージにありました。こういうちょっとくさいセリフとか、語りっぽいところとか、今はもう書けないなと思うので、過去の自分に楽曲提供してもらったような感じですね。
アルバムのラストを締めくくるのはタイトルトラックの“猫とジェラシー”。曲タイトルがそのままアルバムタイトルになることは今回が初めてだが、それ自体に特別な意味はないという。タイトルの由来はもちろん「猫じゃらし」。アレンジは今回“ざらめ”を手掛け、過去にはDISH//の“猫”も手掛けたトオミヨウが担当している。
あいみょん:実家にうにっぺっていう猫がいて、ファンの子はみんな知ってくれてるんですけど、私はうにっぺと入れ違いで上京してるので、一緒に生活はしてなくて。なので、たまに実家に帰って、抱っこしに行こうとしても全然来てくれなくて、ツンツンしてるんです。でもあるとき私がリビングでわんちゃんを抱っこしながら寝てたら、ふとほっぺのあたりを舐められて、「え?」と思ったらうにっぺで。猫が顔を舐める行動は愛情表現だったりするから、「私からいったら全然けえへんくせに、夜になったら顔舐めんの?」みたいな、ああいう猫の性格は割と恋愛に置き換えやすいし、アイデアになるんですよね。でも猫は舌がザラザラしてるから、舐められ続けると赤くなるくらい痛いんですよ。だから〈お前からのキスは 求めてないのにな、いらない 初めての時くらい痛い〉っていう。ただ結局私も猫の魅力にやられてるし、この曲の主人公も猫にジェラシーを感じてる。先にDISH//の“猫”ができちゃって、あれにはなかなか勝てないから、「DISH//の“猫”にジェラシー」とも受け取れて、でもそんなん自分で作ってたらやばいですよね(笑)。
〈猫にジェラシー 馬鹿で悪いか? 相手が誰だろうと構わない〉と歌う“猫にジェラシー”は、つまりそれだけ相手のことを強く思っているということの裏返しだ。“愛の花”にしろ“あのね”にしろ“会いに行くのに”にしろ、〈どうして 知らないことが増えるのかな 全てを見せた後に〉と歌う本作のオープニングナンバー“私に見せてよ”にしろ、あいみょんの楽曲の主人公はいつだって誰かのことを強く思っている。人と直接会えないコロナ禍を経て、この2年は普段の日常を取り戻したようにも見えるが、その間にはデジタル化が進み、人と人との心の距離はむしろ遠ざかっているようにも思える。SNSで起こるいざこざにしても、そんな時代を表していると言えるかもしれない。だからこそ、誰かに対する強い思いを詰め込んだ『猫にジェラシー』が2024年にリリースされるということは、とても意味があるのではないかと思う。
あいみょん:時代を意図して曲を書いたわけではないですけど、言われてみれば確かにそうというか、私の曲は基本的に主人公が相手を強く思いすぎてるんですよね。強く思いすぎて病んでたり、強く思いすぎて1人ぼっちになったり、基本的にすごく思いすぎてて、それで自分がおかしくなっちゃう。思いの強さで物語に分かれ道ができるような、対相手がいる曲に関してはそんな気がします。その作り方は“貴方解剖純愛歌〜死ね〜”から変わってないのかな。
今回取材をいくつか受けて、自分的に面白いなと思えたのは、「炎曜日」とか「朝が嫌い」とかは2020年に作ってて、コロナの時期じゃないですか。当時のリモート取材で、「こういう世の中になってしまって、作る曲の雰囲気は変わりましたか?」みたいなことを聞かれて、私頑なに「全く影響は受けないです」って答えてたんです。「私の楽曲は基本的に家でできるから、人に会えなくなってもできます」って。でももしかしたら、自分が意図しないところで変わってたかもしれないけど、取材を受けてほんまに何も変わってないことが確認できたというか、むしろ「炎曜日」とか、あの時期にどんな曲書いてんねんっていう(笑)。なので、これからまた世の中がどうなるかはわからないですけど、私は多分変わらないまま、この感じで作れる自信がついたし、私の曲の作り方は世の中には動かされない。もちろん、自分自身に何か大きな出来事があったら変わるかもしれないですよ。結婚するとか、母親になるとか、そういうことがあると何か変わるのかなと思うけど、それは実際経験しないとわからない。ただ少なくとも、私はこれからも世の中の動きには左右されずに、自分の曲を作り続けたいと思います。
TEXT:金子厚武